Category : 「わたしはこれでだまされた」被害者の声

自分の才能が認められたと思って…

ずっと自営業を続けてきたAさん(71歳 無職)ですが、2年前に店をたたみ、今ではのんびり老後を送っていました。奥さんには10年前に先立たれてしまったので、一人暮らしです。一人娘のHさんはすでに自立し、家族とともに遠くで幸せに暮らしているそうです。

Aさんの趣味は俳句をつくることでした。市のカルチャースクールには欠かさず出席し、腕前も相当なものだと言います。そんなある日、彼のところにある電話がかかってきて…

自分の作品が新聞に?

「わたしの俳句をね、新聞に掲載しないかって話だったんだよ。確かに自分の作品は気に入っているけどさ、まさかそんなに有名になっているとは思っていなかったね。カルチャースクールの先生か誰かが推薦してくれたんだと思ってね、すっかり信じ込んじまったんだ。」

まだ賞にも応募したことがない自分が、新聞に掲載されるなんてこんなに嬉しいことはないでしょう。Aさんはすぐにその誘いを快諾しました。しかし後日あった連絡に、少し違和感を覚えたそうです。

趣味まで嫌いになってしまって…

「新聞に載せるにはさ、掲載料が必要だって言うんだよ。企業でも個人でも、それは仕方がないことだって言うからね、そんなもんなのかなぁって思ったんだ。だけど値段を聞いてびっくりだよ。10万円だって言うんだ。正直どうしようか迷ったね。

だけどさ、新聞に載れば遠くに住んでる娘夫婦に自慢できるし、孫にもおじいちゃんすごいだろって言えると思ってね、払っちゃったんだよね。それが詐欺だったんて考えもしなかったよ。いやぁ、騙された…もう俳句も嫌になちゃってね…」

結局Aさんの俳句は新聞に載ることはなく、電話の相手とも未だに連絡が取れないそうです。自分の失態を誰にも話すことができないAさんは結局、俳句もやめて、今では一人部屋でテレビを見るくらいしか趣味がないそうです。

高齢者の心をもてあそぶこうした犯罪は許せないものです。しかし、老後をのんびり過ごしている人たちに油断があったのも確かでしょう。今後、より対策を強化していかなければならない犯罪と言えます。

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